令和三年を迎えて
皆様、明けましておめでとうございます。昨年もまた何かとお世話になり、ありがとうございました。
昨年は年明け早々に、中国における新型コロナウイルスによる感染症の発生が報告され、瞬く間に全世界に蔓延し、世界を揺るがすパンデミックとしてあらゆる方面に影響を及ぼし、世界の姿をすっかり変えてしまいました。その流行は未だ終息の兆しを見せておらず、まさにコロナに明け、コロナで暮れた一年だったと思います。ワクチンや治療薬の開発も進められ、ワクチンの接種も始められたようでありますが、一日も早くこうした薬品が一般に提供され、流行が終息に向かう、そんな新しい年であってほしいと願っております。
県政もまた昨春以来、コロナ対策に翻弄されてまいりました。感染者の全国的な急増を受け、秋田県もさまざまな施策を展開し、投じた財政規模はほぼ一千億円に達しております。県の通常の年間一般会計予算が約六千億円ですから、国からの交付金が多いとはいえ、投じた金額の大きさがわかると思います。
こんなコロナ禍の中にあって明るい話題もあります。昨年十月には、秋田県出身者として初めて菅義偉氏が内閣総理大臣に就任いたしました。秋田の小さな町から就職のため首都圏に出た青年が、苦労しながら政界に入り努力の末に総理の座まで上りつめた、まさに快挙であります。菅総理には地方をよく知る政治家として、我が国の均衡ある発展のためその実務能力、手腕を存分に発揮し、できるだけ長く政権を担い、国際社会における日本の地位向上、世界平和の進展にも努めてほしいと願っております。
その菅総理が就任早々表明されたのが、二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロ目標であります。脱二酸化炭素社会実現ためには、化石燃料を限りなくゼロに近づけていく必要がありますが、そこで注目されるのが自然エネルギーであります。わが県は自然エネルギーの宝庫であります。わが県が持つ風力、地熱、これらは近い将来における極めて有望なエネルギー源であり、これから本格的な開発、運用がなされ、わが県はもとより我が国の発展に大きく寄与できるものと思います。また本県は二酸化炭素の吸収源である森林にも恵まれており、森林の保全育成に、より積極的に取り組むことによって地球温暖化防止や国土の強靭化、水源涵養が図られるなど、わが県の強みを生かしていけるものと思います。
また、コロナ禍のもとで、働き方も大きく変わろうとしております。テレワーク、リモートワーク、ワーケーションといった働き方が普及してくる中で、若い世代の地方への関心が高まり、秋田にとっても人材誘致のチャンスであります。人口減少に少しでも歯止めをかけるため、さまざまな施策の展開をしていきたいものだと思います。
十一月には、県が開発した秋田米の新品種が「サキホコレ」と命名され、発表会が行われました。先ごろ私も試食いたしましたが、大変おいしいお米で、令和四年には一般市場にデビューする事になりますが、「あきたこまち」同様全国で愛され親しまれる秋田が誇るお米になるものと期待しております。
サッカーのプロチーム、「ブラウブリッツ秋田」のJ3優勝も明るい話題であります。開幕から二十八戦無敗と連続無敗を塗り替え続け、完全優勝により、J2昇格が決定しました。今シーズンも新たなステージで活躍し、県民に更なる夢や感動を与えてほしいと思います。
十二月には日本海沿岸自動車道「鷹巣西道路」が開通いたしました。この事により大館能代空港へのアクセスの強化が図られ、物流や県都への移動時間短縮など、県北地域の産業振興や観光振興に大きく貢献するものと思います。事業中の残り区間の早期完成が待たれるところであり、更に強力な運動を進めていきたいと思います。
今年は、昨年開催が予定されていた東京オリンピック、パラリンピックが、コロナウイルスの影響により一年遅れで開催されることになっております。それまでには全世界においてコロナの流行が終息に向かい、国民が安心して世界から集うアスリート達を迎え入れ、熱い戦いに惜しみのない声援を送る世界最高最大のスポーツの祭典として、大成功に終わることを願っております。
また今年は、四月には知事選挙、そして秋までには衆議院選挙が行われます。私が支援する候補者について、また皆様たちにお願いしなければなりませんが、その節はどうかよろしくお願いいたします。
今年が皆様たちにとりまして、素晴らしい年になりますことをご祈念申し上げます。